トップ  > 企画展 > 筆があらわす言葉の魅力 相田みつをの詩と書

筆で届ける「自分の言葉、自分の書」

心に残る言葉やフレーズ、忘れられない独特の作風。日めくりやカレンダーなどでも馴染みのある書家、相田みつを(1924~1991)の書や詩は、私たちの心に寄り添うように響きます。本展では、筆によるものだからこそ心に届く相田みつをの生きた言葉と、その書の魅力とともに、相田みつをの原点や一心に書に取り組んだ姿もあわせて紹介します。

しあわせはいつも 1990年 ただいるだけで 1985年頃
あなたのこころが 1983年 いのちあるかぎりは

©相田みつを美術館

関連イベント
相田みつを美術館館長 相田一人氏 来館!
9月5日(土)
■ギャラリートーク
11:00~(15分程度)
講 師/相田一人(相田みつを美術館館長、相田みつをの長男)
参加費/無料(要入館料)
■講演会「相田みつをの原点」
13:30~15:00
書家相田みつをの表現の原点や書への取り組みを語ります。
講演会後には、作品の前で行うギャラリートークもあります。
講 師/相田一人(相田みつを美術館館長、相田みつをの長男)
定 員/100名(要申込)
参加費/無料(要入館料)
相田一人
相田一人
句会ライブ「五・七・五☆書」に挑戦しよう!
9月20日(日)13:00~16:40(12:30開場)
■人気講師のコラボレーション

筆の里工房内を散策して俳句を作り、短冊に筆で書きます。
むずかしそうだなぁ…と感じる方にこそ、参加して欲しい講座です。
テレビでも活躍する二人の講師が、俳句の作り方、書のポイントをわかりやすく教えます。
俳句も書もやったことがないという人も、大人も子どもも、楽しく参加できます。
講 師/夏井いつき(俳人・エッセイスト)
    青山 浩之(横浜国立大学教授・書家)
司 会/横山雄二(RCCアナウンサー)
参加費/無料(要入館料)
定 員/80名(要申込)
内 容/(予定)
1) 俳句の作り方、書の書き方を先生が分かりやすく解説。
2) 筆の里工房を散策して、俳句を詠む。
3) 詠んだ俳句を、筆で短冊に書いて提出。
4) 講師による予選審査でグランプリ候補作品を決定。
5) グランプリ候補作品から、みんなでグランプリを決定。賞品あり!

夏井いつき(俳人・エッセイスト)
夏井いつき (俳人・エッセイスト)
中学校国語教諭の後、俳人へ転身、 「第8回俳壇賞」を受賞。 松山市に在住し、俳句の授業「句会ライブ」の開催、「俳句甲子園」の創設、 TBS系全国ネット「プレバト!!」俳句コーナーへの出演、今年5月の「俳都松山大使」就任など、 俳句の面白さ、奥深さを発信している。
青山浩之 (横浜国立大学教授・書家)
青山浩之 (横浜国立大学教授・書家)
教科書や教材の作成を数多く手がける 書教育のエキスパート。 また、「美文字研究家」として、 NHK「ためしてガッテン」「あさイチ」などに 出演したり、 高校生の書道パフォーマンスの審査員を務めるなど、手書き文字や書の魅力を伝えるために活動している。

担当学芸員によるギャラリートーク
10月4日(日)、10月18日(日) 13:30~(20分程度)
作品を見ながら、展覧会の見どころや作品の魅力についてお話します。
参加費/無料(要入館料)
美の小箱「初めての美文字」
9月21日(月・祝)13:00~15:00
NHKの番組でもお馴染みの講師が、筆ペンで書く文字がワンランクアップする美文字のポイントを紹介します。
講 師/青山 浩之(横浜国立大学教授)
定 員/30名(要申込)
参加費/一 般5,000円(要入館料、材料費込)
    PAL会員3,000円(材料費込)

昨年の書道セミナーも大好評!
みつを で 俳句
~11月8日(日)まで
「相田みつをの詩と書」の入館者を対象に、館内で俳句を募集しています。
集まった俳句は、テレビでおなじみの夏井いつき先生が選句してくださいます。
みつをの作品を観て感じたことを俳句にしてみましょう!
優秀賞は夏井先生の選評とともにホームページで発表します。
投句期間/~11月8日(日)まで
参 加 費/無料(要入館料)
選  者/夏井いつき (俳人・エッセイスト)
投句方法/筆の里工房に入館し、専用の投句用紙に俳句を記入し、投句ボックスに入れて下さい。
発  表/筆の里工房ホームページ
優秀賞に選ばれた方のうち、希望の方のみ、ハガキで選評を連絡します。
ご希望の方は、専用投句用紙の裏に住所、氏名、電話番号をご記入ください。

「みつを で 俳句」
―優秀賞発表―

「相田みつをの詩と書」の会期中に館内で募集した
「みつを で 俳句」の優秀作品5句が選ばれました。
応募総数152句の中から、俳人の夏井いつき先生に
選句、選評をしていただきました。

赤とんぼ
空を濃くした
時代(とき)に舞う飛淳(広島市安佐南区)

選評

中七の「空を濃くした時代」という表現は現実の夕焼けの光景でしょうか。あるいはこの時代に対するある種の危惧の喩えなのでしょうか。「時代」を「とき」と読むのであればやはり時代への警鐘として読めるのでしょう。どんな時代でも赤とんぼは、ただ悠々と舞っているのですが、それは刻々と変わる空の色の中で時代の中で羽の色を変えつつ何かを語りかけているのかもしれません。

筆太に
五行のみつを
秋うらら裕子(山口県下関市上田中町)

選評

みつをの詩が力強く書かれた五行自筆の書でしょう。あるときは優しく、あるときは励ますように強く、語りかけるみつをの言葉ですが、秋のうららの中で見る五行は、ことに力強く自身を励ましてくれている。どっしりとした墨跡に佇みながら、心から秋のうららを楽しんでいるようです。

かなしみは
褪せゆく中に
曼珠沙華大地(東広島市西条町)

選評

誰かを失った悲しみでしょうか。年々悲しみは褪せてゆくように記憶の彼方のものになって行くのですが、曼珠沙華を見た瞬間にまた、ふと悲しみは蘇り、そしてまた褪せるように遠のく。赤の曼珠沙華が一日一日、まるで白の曼珠沙華に変化して行くかのように悲しみは褪せて平穏を取り戻して行くのでしょう。

紅(くれない)の
色さえわたる
秋の雨つぼちゃん(廿日市市阿品)

選評

秋雨の中で目にとまった紅。曼珠沙華の花でしょうか。あるいはすれ違った赤い傘だったのでしょうか。全てが雨のグレートーンの中で栄える紅。「さえわたる」なので強烈な記憶を呼び覚ますものなのかもしれません。秋の雨は時に冷たく、寂しさを呼び起こすものかもしれませんが、紅はその中で点る灯りのようにいつまでも心に残るものでしょう。

辛抱が
足りむと悟り
青みかん喜久美(安芸郡熊野町)

選評

怒りに思わず人をなじった後だったりするのでしょう。激情に任せてはみたものの我に返ると「怒り」は後悔を生み出すもの。ほんの少し言葉を飲み込んで冷静になるべきだったなと。蜜柑の青さが如何にも自分の青さを現しているのですね。この「悟り」はさて次に役立つのか。蜜柑の青さはまだ続くのかもしれませんね。

開催概要
会 場
筆の里工房
〒731-4293 広島県安芸郡熊野町中溝5-17-1
TEL:082-855-3010   FAX:082-855-3011
入館料
大人600円 小中高250円
(20名以上の団体は2割引)
幼児無料 PAL会員無料
開館時間
午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日
月曜休館
(祝日の場合翌日。但し9月21日~23日は開館、9月24日が休館。)
主 催
一般財団法人筆の里振興事業団 中国新聞社 中国放送
協 力
広島電鉄株式会社 呉信用金庫 広島県信用組合 もみじ銀行
助 成
一般財団法人自治総合センター   

特別協力
相田みつを美術館