毎日、数限りない文字と向き合う現在の私達のくらし。
非業の海に翻ろうされ、私達はいつしか文字本来の豊かさを忘れ、２０世紀は書き文字文明の時代と呼ばれ、そして２１世紀は機械文字文明の時代といわれる。
しかし、言葉だけでは伝えきれない何かを表現しようとする時、私達は今も筆の感触を求めている。
筆を手にするとき、私達は思い出す。
筆と水の運命的な出会いを
記号の枠には収まりきらない「ことば」のふくよかさを・・・
時空を超えて人類のメッセージを伝えてきた筆。
今も人は光を孕む。
闇を孕む。
筆の宇宙へ・・・
光と闇の永遠の戯れから未来が生まれる。