H24/7/20(金)~9/17(祝月)
魯山人芸術を生んだその筆意に迫る
「この世の中を少しでも美しくしていきたい。私の仕事は、そのささやかな表れである。」
稀代の陶芸家、料理人として名を知られる北大路魯山人(きたおおじろさんじん)(1883-1959)。
京都、上賀茂神社の社家(しゃけ)である名家に生まれましたが、生まれてすぐ養子に出され、親戚縁者の家を転々とする不遇な幼少期を過ごします。12歳のとき京都画壇の重鎮、竹内栖鳳(たけうちせいほう)の作品に感銘を受けて日本画家を志しますが、その画材を購入するために応募した書の懸賞で、次々に受賞を重ね、一躍書の名手として名を成しました。24歳で書道教授の看板をかかげて独立、初めて身を立てたのは書の道だったのです。その後も刻字(こくじ)看板などを依頼されて制作するや数寄者らの目に留まり、知遇を得て支援を受けるようになります。中でも金沢の茶人、細野燕台(ほそのえんだい)から料理と陶芸の指南を受けたことは、その後の魯山人芸術の素地となります。
本展では、魯山人芸術の原点でもある書をはじめ、篆刻(てんこく)、画、陶芸、漆芸などあらゆる芸術に精通し、それらを融合させた魯山人の世界を探るとともに、創作に活かされた筆の妙技を紹介します。
■主催 : 財団法人筆の里振興事業団 中国新聞社 中国放送
■協賛 : 広島電鉄 呉信用金庫 広島県信用組合
■協力 : 何必館・京都現代美術館