トップ  > 企画展 > 破壊と創造―比田井天来・小琴、芸術書に捧げた生涯―

「現代書道の父」と呼ばれる書家 比田井天来。その妻で仮名書家の比田井小琴。
書の研究所「書学院」の設立と書の普及のため、全国を遊歴した2人は、筆の町熊野町にも訪れています。
本展では生涯、芸術としての書を探究し続けた天来と、公私ともに天来を支え続けた妻、小琴の作品から、二人の軌跡をたどります。また、天来と小琴が筆の町熊野に残した作品、資料も紹介し、二人が現代の書にもたらした功績を振り返ります。

熊野に伝来!

天来の肖像写真としてよく使われていますが、ここで揮毫している、まさにその作品を熊野で発見!本展で初公開出品します。

比田井天来
ひだい てんらい(1872〜1939)

長野県生まれ。本名鴻。日下部鳴鶴から古典法帖を直接学ぶよう指導を受け、筆法の研究、古典臨書を基本とした芸術書の提唱をするなど、現代の学書方法に大きな影響を与えた。その後、弟子たちによって、前衛書、近代詩文書、少字数書といった新しいジャンルの書表現が確立されたことから、「現代書道の父」と呼ばれる。

比田井小琴
ひだい しょうきん(1885〜1948)

東京都生まれ。本名元子。宮中の御歌所で活躍した歌人で、書家の阪正臣に和歌と書を学ぶ。17歳のとき、比田井天来と結婚。教科書の執筆をはじめ、東京美術学校で教鞭をとるなど、自身も仮名書家として第一線で活躍し、公私ともに天来を支えた。

町内関連展示 比田井天来・小琴の門人たち展

比田井天来は「現代書道の父」と呼ばれます。これは、上田桑鳩(うえだ そうきゅう)、桑原翠邦(くわはら すいほう)、金子鷗亭(かねこ おうてい)、手島右けい(てしま ゆうけい)を筆頭に、戦後新たに確立された、前衛書、近代詩文書、少字数書などの書表現を先導した書家たちの多くが天来の弟子であったためです。天来と小琴は筆の町熊野に来訪しました。昭和14年に天来が亡くなってからも、熊野町と天来、小琴の門人たちとの筆を通した交流は脈々と引き継がれ、現在にまで至っています。この度開催する町内関連展示では、天来、小琴につながる作家の作品を所蔵する事業者の協力を得て、町内各所で門人たちの作品展示を行い、長く引きつがれてきた熊野町と現代書家との結びつきを紹介します。

町内関連展示マップ

会場

  • ① 筆の駅・仿古堂(ほうこどう)

    筆の駅安芸郡熊野町出来庭10-6-24(仿古堂となり)
    時間:10時〜16時 会期中無休
    TEL:082-855-1123

    仿古堂安芸郡熊野町出来庭10-6-23(筆の駅となり)
    時間:9時〜17時 会期中無休 ※日、祝日は10時〜16時
    TEL:082-854-0003

  • ② まちの駅 筆の一休(ひとやすみ)・一休園(いっきゅうえん)

    安芸郡熊野町出来庭2-2-44
    時間:9時〜18時 会期中無休 ※土日・祝日は16時まで
    TEL:082-854-0019(一休園)
    TEL:082-543-2844(広島筆センター)

  • ③ 長栄堂(ちょうえいどう)

    安芸郡熊野町中溝2-13-8
    時間:9時〜17時 ※土・日、祝日は休み
    TEL:082-854-0031

  • ④ 久保田号(くぼたごう)

    安芸郡熊野町城之堀2-2-45
    時間:9時〜16時 ※土・日、祝日は休み
    TEL:082-854-0009

関連イベント
筆の日記念講演会「比田井天来と小琴」
平成28年3月20日(日・祝)11:00~12:00
展覧会の調査により浮かび上がった天来・小琴と筆の町熊野との交流、天来の書に筆が果たした役割など、今までにない視点から現代書道が誕生した様子をスライドや動画を交えてご紹介します。
講  師/比田井和子(比田井天来の孫)
参加費/無料(要入館料)
定 員/100名(要申込み)
比田井和子(比田井天来の孫)
■比田井和子(比田井天来の孫)
比田井天来、小琴の孫で、書家 比田井南谷を父に持つ。学習院大学人文科学研究科哲学専攻修士課程修了。伏見冲敬編『書道大字典』(角川書店)の編集に携わり、出版社勤務を経て株式会社天来書院を創設。書に関する書籍の出版やDVDのプロデュース、講演など、書の普及のため幅広く活躍している。2000年から2年間は、佐久市立天来記念館の館長も務めた。
日本の美に触れる講座 美の小箱2016「継紙(つぎがみ)をつくろう」
平成28年4月9日(土)
(1)10:30~12:30 (2)13:30~15:30
かなの作品は美しく装飾された「料紙(りょうし)」に書かれます。さまざまな料紙を間近に見ながら話を聞いた後、グラデーションの美しいはがきサイズの継紙を作ります。
講  師/小室久(小室かな料紙工房)
参加費/5,000円(要入館料・材料費込、PAL会員は4,000円)
定 員/各回30名(要申込)
開催概要
会 場
筆の里工房
〒731-4293 広島県安芸郡熊野町中溝5-17-1
TEL:082-855-3010   FAX:082-855-3011
入館料
大人600円/小中高生250円(20名以上の団体は2割引) 幼児無料 PAL会員無料
開館時間
午前10時〜午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日
毎週月曜日(祝日の場合翌日)
主 催
一般財団法人筆の里振興事業団
特別協力
佐久市立天来記念館 天来書院
協 力
広島電鉄株式会社 呉信用金庫 広島県信用組合 もみじ銀行