筆の町熊野町には、筆づくりを通じて多くの文人墨客との交流の歴史があり、書家、榊莫山(1926-2010)もその一人です。莫山は書作の傍ら、熊野筆の筆匠と長年交流して『文房四宝 筆』を著しており、その著作は80冊にも及びます。書家として20代半ばで頭角を現しましたが、師である辻本史邑(1895-1957)が亡くなったことを機に35歳で書壇を離れます。その後は、画家で絵本作家の元永定正(1922-2011)や小説家の瀬戸内寂聴(1922-)ら多様な文化人と交流し、活動の幅を広げていきます。特に1993年、67歳のとき、焼酎「よかいち」のTVCMに出演すると、全国的な人気を博し「バクザン先生」の愛称で親しまれました。
本展では、書道界で活躍した初期から、伊賀の山野を巡りながら創作した詩書画の莫山芸術に至るまでを、三重県立美術館所蔵作品を中心に約70点を展示し、熊野町の筆匠との交流や愛用していた筆も紹介します。
《古キ仏ハ》 2006年
掲載の作品はすべて三重県立美術館蔵
《女》 1985年
《麦ノ畑ヲ》 2004年
掲載の作品はすべて三重県立美術館蔵
熊野町出来庭2-2-44
9~18時開館(日祝は休み、土は要問合せ)
TEL 082-854-0019
熊野町出来庭10-6-24
10~16時開館(4/29~5/3,6/16は休み)
TEL 082-855-1123(筆の駅)、082-854-0003(仿古堂)
ホームページ:http://houkodou.jp
筆の駅ギャラリー
仿古堂創業120年「筆ラベルと選定筆」
5/4(土・祝)~21(火)
※期間中、作品入れ替えあり。