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フォーラム

提言-名児耶明

2009.03.21

なごや あきら  五島美術館学芸部長

s_名児耶筆というフォーラムにこれだけの人が興味を持ってくれることは、筆の未来にとって力強いと感じた。前回のフォーラム以来、筆の試作や実演をしているが、問題がどんどん出てくる。ということは、ワープロなどの機械を使って文字を書き始めた歴史に比べれば、筆は5000年以上の長い歴史を持っており、その中には大変重要な文化遺産が詰まっているということだと思う。

伝統技術は、一度捨ててしまうと取り戻しができない。たとえば、400年の伝統は、一度捨ててしまうと、もう400年たたなければ得られない。日本人は、未来に役立つ技術がいっぱいあるはずなのに、捨ててしまいそうになっていると思う。

 

筆の長い歴史の中で生きてきた伝統技術等は、新しく化粧筆という形で今、引き継がれている。つまり、続けていくことにより、次の未来につながる何かを発見できるということを、画筆や書筆から化粧筆へという中で見た思いがする。伝統的なものの周辺にある文化遺産を継承していくことを、筆をきっかけにして広めていってもらいたい。(要約)