提言-津田紀代
2009.03.21
つだ のりよ ポーラ文化研究所主任学芸員
化粧の筆について言うと、江戸時代のような白一色しかないおしろいの時代に、女性たちは、化粧の筆や刷毛をかなり工夫し、自然でつやのある化粧を心がけていた。私たちは、あらゆる化粧品を自由に使えるが、もう一度江戸時代の人たちの美意識を思い起こし、見習って、お化粧に取り組みたい。
また、熊野筆の特徴である、肌に触れたときの感触のよさは、非常に大きな意味を持っていると思う。その感触のよさで美しくなれるという満足感を得て、それで化粧をすれば、女性はさらに美しくなれると思う。そういうことをもう一度振り返ってみたいと思う。(要約)