第1部(書筆)
2009.06.30
平安の仮名はどのような筆で書かれたか
筆の里工房で開催した「筆づくりフォーラムⅠ」では、書の筆、絵の筆などと、筆を種類分けせずに話をした。今回は、筆の種類ごとに話を進めたい。
まず、書の筆の場合、漢字の筆と仮名の筆があるため、対象をいずれかに絞り込んだほうが話を進めやすい。日本の書が他国のものと違う点は、「仮名文字の発明とその芸術にある」といえる。そして、仮名の表現は、日本人のものの考え方や美意識と関わりがあると思われる。
このような理由から、今回の「第1部 書筆」では、「仮名」を表現する筆に話を絞る。
(名児耶明)