開催の主旨
2011.04.20
筆づくりの町・広島熊野を訪ねて 2011.8.18(木)-20(土)
日本一の生産量を誇る筆の産地・熊野町には、1,500人もの職人「筆を作る人」が、日々製筆技術を磨きながら筆づくりを生業として暮らしています。しかし、「筆を使う人」即ち、書画、工芸の作家やメイキャップアーティスト、それらを目指す若い世代、さらには多くの研究者たち――彼らが、筆を使った感想や意見、筆致などの情報が、職人の元に届く機会は多くありません。一方、筆を使う人も、筆を道具として日々使用しながら、制作工程や原材料について学習する必要性をあまり感じていないのが現状です。
筆を「作る人と使う人」両者の意見交換により、使い手の顔が見えれば、職人の制作意欲は増進されます。また、「使い手」である作家は、「作り手」の現場を肌で感じ、筆の表現方法の奥深さに触れることで、筆致が日本の書、画、美術・工芸の美しさを担い、世界に誇るべき美意識を創造していることを、再認識する可能性もあります。
今回、日本一の筆づくりの街という地域の特性を生かし、「筆職人と筆の未来を担う若い世代の交流」を目的に、「筆づくりの里・広島熊野を訪ねて ― 職人の町に泊まろう!」を開催しました。