【絵画】アクリル画筆の用途

解説:久保田貴美子 画家 奈良県出身
広島大学学校教育学部 美術科卒業・比治山大学短期大学部幼児教育科 准教授

アクリル画について

アクリル画は絵の具の乾きが早く重ねても滲まないので幅広い表現が可能です。筆は柔らかいものから硬いものまで様々な種類の筆が使われます。

刷毛の使用

「普段は刷毛ですね。細い筆ではなくて10cmや8cmくらいの刷毛を使って、最初から最後までその刷毛だけで描いてます。どちらかというと体全体で画面に「ガーッ」と向かっていくっていう表現方法が好きなものですから、細い筆よりはある程度幅のある刷毛の方が自分の表現、思いを画面にぶつけやすいと思います」

筆への愛着

「毛は、日本画用の刷毛なんですけど、ずっと何年も同じものを使ってますから、毛が擦り切れたり、短くなったりします。新しい刷毛より使い慣れた刷毛の方が愛着があって、ずっと使い慣れた刷毛を使ってます」

筆との相性

「いろいろ試してみたんですけど、やっぱり日本画の筆というのがすごく水との相性もいいです。私は画面に、最初はキャンパスなんですけど和紙をどんどん貼っていくんですね。その和紙との相性、そして水との相性が非常によい日本画の筆を主に使っています」

仕上げ

「今から仕上げてやろうという時は、細い線が引けたりデリケートな面を調整したりするのに、柔らかかったり、尖がったりする筆、面相筆とかを使います。しかし仕上げだと思ってやってると、実は全然できてなかったという事がしょっちゅうあるんですよ。そういった時は、また半分やけくそになったりしながら豚毛の筆で描き直したり、行ったり来たりしながらというのが実情です」